コンテンツへスキップ

改姓する覚悟がない、に反論してみた

何年か前某タレントさんが夫婦別姓なんて結婚する覚悟が足りないと発言され、賛否両論の反応でした。

当方、法改正を待てず、ペーパー離婚し、事実婚にして別姓にする予定の者です。

まず最初にしたのは会社への手続き問い合わせです。お互いの職場で事実婚の配偶者を家族扱いしてくれるかどうかの確認です。社則には婚姻に準じる間柄と記載されていましたが確認やそれを証明する書類などの確認。幸い両方共に事実婚であっても扶養手当は受け取れると回答を頂けましたが「なぜ離婚届まで出して事実婚にするのか」理由を聞かれ、沢山の書類に理由を書かなくてはなりません。当然離婚届を出し、離婚後の配偶者をそのまま配偶者とするのですから不正受給をされないためと当然の手続きですがこれも沢山の書類に理由書と署名捺印。これも各部署にいちいち説明を求められ、プライバシーを皆の前で説明するのは大変でした。証明に求められたのは未届妻(夫)にした住民票と公正証書でした。離婚届を出した後未届妻(夫)の住民票にするには役所相手に説明を求められたり一筆理由を書くと聞いており今から不安な思いでいます。

そして事実婚にする為には離婚の意思も無いのに離婚届を出さなければなりません。

別姓にする為の手続きと割りきって書くつもりでもいざ本物の離婚届を書くのはかなり精神的にも辛いものでした。しかも離婚届には二人の成人が証人欄に本籍地、住所署名捺印が必要です。

事実婚にするための離婚届と説明しても偽装離婚して不正受給をするつもり、離婚後の二人の生活のすべての責任を負うと思われ、なかなか協力してくださる方が見つからず難儀しました。

次は事実婚→法的に全くの他人になるため遺言書は必須です。でないとまだ子供がおらず共有名義にしている我が家は一方が亡くなったら残った方は下手したら家まで失うのですから。これも後々問題にならないよう行政書士に依頼し、遺言を作成し、法務局に預けなければなりません。自宅に置いていて紛失したり火災で焼けたら大変ですから。

次は今入っているお互いの生命保険の受取人は事実婚の配偶者でも受け取れるのかの確認です。ここで大抵の生命保険は事実婚の配偶者の受け取りは無理なためせっかくかけ続けていた保険を解約し、別の保険会社を探さねばなりません。

後々生まれてくる子供の姓も決めなければなりません。これは妻姓は書きにくい読みにくいで幼い頃中々自分の姓を漢字で書けなく読んで貰えなく苦労した経験からあっさりと夫姓に決まりました。そして親権は妻が持つ。姓は夫姓、親権は妻。姓が違っても両方ともあなたの親だ、と子供に示すためそう決まりました。

そして会社にも提出が必要なのと、人間生きていると何があっても不思議ではないので二人の間柄の今後の事を公正証書にして作らなければなりません。これも素人では無理で行政書士に頼みます。

遺族年金は、確実に事実婚関係であり生計を共にしていた証拠を作るだけ作った方がいい。年金事務所に事実婚であったことを示すためのアドバイスを頂き、住民票と公正証書は当然必要。まず今までは生活費は妻が夫のキャッシュカードで生活費をおろしていたのですが、事実婚になったら一度夫の口座から妻への口座に毎月振り込み(逆だと生計を共にしていた証拠にはならないそうです。まだ世間は夫が生活費を妻に渡すものと認識しているのを再認識しました)そこから生活費をおろす手間がかかる事をしないといけません。公共料金も契約者変更、契約者妻、支払いは夫口座からに変更。ネットの買い物も妻アカウントに夫名義のクレジットカードを設定。扶養手当が会社から出ていた証拠も保管しておかなければなりません。保険年金が3号に入っているとかなりの確率で遺族年金はスムーズに受け取れますが、残念ながら二人とも正規雇用で年金も保険も別々のため断念。あとは周りから夫婦と認めて貰っていた証拠に二人の連名の消印がある郵便物。なので年賀状は不可です。共通の友人は多いのですが今時は年賀状以外プライベートで郵便物など届きません。ここが今もって解決していません。

一番の苦労は、相続、年金、そういった細々した法改正、社則改正はしょっちゅうある事です。法改正があっても事実婚関係の家庭に通知が来るわけではありません。当然です。事実婚などという制度は日本にはないのですから。

はっと気がついたら生活が困難になっていた、では話しになりません。毎日新聞を隅々まで読み、小さいニュースまで目を通さなければなりません。仕事から帰ってまず風呂だビールだというわけにはいかないのです。これも自身も事実婚という行政書士に何か法改正があったら知らせて貰えるよう頼もうと思っています。

後はどちらかが急病などで倒れて搬送された時、事実婚の配偶者では書類にサインも出来ない病院が多いことです。常に三か月以内に発行された住民票を持ち歩き、ダメならあらかじめ準備している婚姻届を最寄りの役所に出し、婚姻届受理証を持って病院に戻るしかない。退院したら又あらかじめ準備していた離婚届を提出する。署名に協力してくださった友人には何セットもの離婚届、婚姻届に署名捺印してから貰っています。

婚姻届を出し、改姓していたら上記の苦労は全く必要ありません。自動的に相続でき、遺族年金も受け取れ、扶養手当も普通に出て、病院でサインも出来、家計の分担など夫婦で決めれば良いのですから。

周りへの説明が不要だったことは救いでした。お互いの親兄弟は遠方で住んでおりあまり行き来もなく、そこに既に独立して家庭を持った我々が許可を得たり報告は不要と判断したからです。(しかしこれも最初から事実婚だったらお互いの親の反対や要らぬ心配をかけるため何度も足を運び説明し納得して貰う必要があると思うとかなり気が重くなります。)近所も元々表札を二つあげて別姓夫婦(意外にももう別姓で婚姻届を出せると思っている人は多いです)として認識されているからです。

今日本でいつでも自分の望んだ名前で生きていくにはこれだけの手続き、日々の負担があります。

我々は一度婚姻届を出し、結婚式もし、様々な手続きもしました。

その時に比べ数倍の負担がある事実婚移行。

「改姓しないのは結婚の覚悟がない」と言う人に是非とも知ってほしい現実です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です