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旧姓使用。ついに心が折れた

私は50代の女性です。

私はまだ結婚など縁がない頃から結婚改姓するのが嫌でした。何故婚姻届ひとつで氏名という数十年使ってきたものを変えて別人にならなければならないのか。全く合点がいかなかったのです。まぁ私が結婚するまでには別姓が選べるようになるだろう、と軽く考えていました。しかし野党が審議をと出す度に与党が拒否。話し合いにも議論にもならず、全く法改正が見えず、そのうち私も結婚する事になりました。私は正直に相手に「結婚するのは嬉しいし幸せだけど名字は変えたくない」夫は即「じゃ俺が改姓するわ」しかし、夫が調べてきてくれたのは、夫の職場は女性は結婚後旧姓使用出来るが、男性は一切旧姓使用が出来ないという事でした。私の職場はむしろ旧姓使用が普通、という位旧姓使用が出来ます。これで夫に改姓させるのはあまりにフェアではありません。なら事実婚なら双方改姓せずに済む。しかし、夫の職場は事実婚は一切認めておらず、扶養手当ては勿論、年金保険の3号にも入れない。それは列記とした法律違反ですが、入れなくとも罰則はなく、事実婚の配偶者を3号に入れていない企業がある事を知りました。家族として認めないのだから私が出産しても夫は育児休暇も取れません。そして認知したとしても子供手当ても出るかどうか。何ヵ月も話し合った結果、私が夫の姓に改姓し、婚姻届を出し、私が旧姓使用する事にしました。職場、プライベート、病院、などで名前を使い分け、一体私は誰なのだと言う位混乱。身分証明書は全て戸籍名になり、次々旧姓が消えました。周りからは「結婚したのになぜ旧姓を名乗り続けるのか。本当は夫さんの事好きじゃないんでしょ?」心ない事を言われたことはもはや数えきれません。そんな中2015年、選択的夫婦別姓が最高裁の大法廷にあがることになりました。これで選択的夫婦別姓が可決する!戸籍に私の名前が帰ってくる!しかしかじりついて見ていたテレビのテロップには「合憲」頭が真っ白になり、その後テレビで何を報道したのかさえ分からない位泣き続けました。翌日の新聞で「旧姓を通称とすることにより・・・」何処の国の話をしているんだ、と一日中泣きました。私は確かにプライベートだけではありますが旧姓を名乗ります。しかし日本では戸籍名しか本名となり得ない事を思い知っている私は名乗ったり呼ばれたりする度「・・・今私は嘘をついている・・・」いくら最高裁で旧姓を通称使用、と判決文に書かれたのだから堂々と名乗ればいいと自分に言い聞かせても「今私は嘘をついた・・・」この気持ちはどうしても消えることはありませんでした。勿論判決文で国会で論ずる、となっていても国会で話し合われる事はなく。そうしたら又裁判が起きました。しかも4件も。自民党でも議連が立ち上がったり、議員でも賛成を表明する人も出てきた。今度こそ決まる!しかし最高裁に上告さえされない裁判も含め、全て敗訴、となりました。見えかけては消え、見えかけては消える光。そうこうしているうちに私は50歳。このまま死ぬまで「私は嘘をついた」と生き続ける事になるのか。ニュース記事や新聞を読み込んでいると、ひとつの裁判で「海外で別姓で婚姻手続きしていたら日本でも法的な夫婦と認められた」これだ!私たちも海外に飛ぼう!しかしそれと同時にコロナが世界的に大流行し、実質的に海外には行けない。若いときは思い立ったら「来月オーストラリアに行きます~」「2週間後に台湾に行きます~」国内旅行と変わらない感覚で海外に言っていたと言うのに。こんな時に限って。いつになったら海外に行けるのか。他国はワクチンなどを条件に入国を認めているのに日本はいつまでたってもワクチンは打てない。帰国後14日隔離される。それだけの休みなど取れません。しかもそれが何年続くのか。それを調べているうちにとうとう私の心が折れました。光が見えては消え、を繰り返し、海外に行こうとしても何年後になるか分からない。夫に「私の名前を返して!」毎日泣き続けました。数年もたてば海外に行ける。その数年すら待てない位私の心は数10年かけて自分でも分からないくらい壊れていっていたのです。夫は今年社長が変わったばかりだ、と事実婚を配偶者として認めてほしいと何日もかけて交渉してくれ、3号の問題、扶養手当て、緊急連絡先も私、というのを勝ち取ってくれました。遺言書作成、公正証書作成、お互いの生命保険に問い合わせ。それが終われば事実婚にすることに決めました。「家族のあり方に関わり」「慎重な議論」当事者はもう待てないのです。たった数年。それすら待てないのです。海外で婚姻手続きしても戸籍には載らないため日本で婚姻届を出した夫婦と全く同じ扱いとはなりません。しかしそれも法律が追い付いてくれる事を信じて、全ての準備が整い次第、離婚など全く考えられない私達夫婦が。別姓になるため「離婚届け」を出しに行きます。

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