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海外で婚姻手続きをし、夫婦別姓へ。事のあらまし。

大変長期間更新できず申し訳ありませんでした。

その理由と事のあらましをご説明いたします。

4月21日

米国ニューヨーク州在住の想田和弘・柏木規与子夫妻が海外方式で婚姻をし、国内での有効確認を求めた東京地裁判決、平成30(行ウ)246において、請求本体は棄却されたものの、「通則法により、海外の挙行地法による婚姻は、我が国でも有効に成立していると認めざるをえない」と判断される。

7月27日

7月の定例会合にて、上記裁判結果を前提に、海外婚の国内での証明方法について会で調べ、海外婚希望者に役立つ情報を発信することを決議する。

8月4日

東京新聞に事実婚、海外婚姻、パートナーシップが認定された事実婚、国内の法律婚と、4つの婚姻形態につき、権利や義務に関する比較表が掲載される。後日、東京新聞に問い合わせると、記事を作ったのは弁護士であるとのことであった。

同日、法務省に対して、7月28日付で海外婚の証明方法についてメールで問い合わせたところ、

「一般論として、外国にある日本人が、その国の方式に従って婚姻に称する証書を作らせたときは、当該証書等によって、婚姻の成立を証明することができると考えられます。」

との回答を得る。

なお、法務省に対しては同時に何度か電話での問い合わせをしている。法務省では電話を受けた者が名乗らないというルールがある。

同時期

日本人同士の海外婚の実践可能性につき、在日本の各国大使館(領事館)などに問合せをした結果、一時的な旅行者でも婚姻証明をとりやすい国がいくつか浮上する。

会員で手分けしてその国の領事館にメールや電話で連絡をとり、必要書類、手続きの仕方等を調べていくこととする。

8月7日

東京法務局に電話で問い合わせたところ、担当者が名乗った上で、以下の通り回答する。

「国内の機関に対して、別姓海外婚の成立を主張する場合に必要な書類は以下の通り。ただし、絶対というわけではなく、各機関により判断が異なる可能性がある。

1.現地の婚姻証明書

2.そのアポスティーユ(現地での認証)

3.それぞれの訳文

4.二人の身分証明書」

9月23日 

海外婚の証明につき、現地の言語で書かれた婚姻証明書を補強するため、日本語の証明も必要ではないかと考え、専門家と相談を重ねる。

それを受けて緊急会合を行い、英語圏かつ日本人にとって渡航しやすくなじみのある国に絞って調べ、英語ができる数名の会員が問い合わせ作業を手伝うこととなる。

短期間滞在での海外婚を実行するための海外渡航を望むカップルは一定数おり、ツアーのニーズは把握しているものの、既存ツアーでは適さないという問題があった。海外への問い合わせの方法などをアドバイスしてくれていた旅行会社が海外婚姻手続きに絞ったオリジナルツアーをなるべく安く作ると提案される。他の会社から連絡が来たり、対応してくれそうな会社の紹介を受けたりと、窓口が広がっていく。

9月28日

海外で作成された婚姻証明書の有効期間につき国内ではどのような扱いになるかという疑問が出たため、法務省に電話で問い合わせる。

「海外の婚姻証明書は期限がないため、年月がたっても日本で婚姻が成立している事を証明することは可能」との回答があり、「念のため詳しい者に代わる」と、転送される。

すると、「海外で婚姻手続きをしても日本で法律婚扱いにならない。5月11日に国会で決まった」と、最初の担当者とは正反対の回答をされる。8月4日付で法務省から届いたメールや、数分前までの担当者の発言について話しても、「それは裁判の原告が国内で婚姻を証明する方法を説明したにすぎず、国内において海外婚が法律婚扱いになるのは原告夫妻だけ」と電話を切られる。

5月11日の国会の答弁を調べるが、海外での婚姻証明についての質問があり、それに対して、「我が国で海外の婚姻手続きをもって日本で法律婚扱いは出来ない」という一回のやり取りしか出ておらず、これまでの法務省や法務局とのやり取りと全く整合性が取れていないことが判明する。

法務省に対してはメールにて問い合わせをする。

情報を整理してからホームページに掲載することとし、更新を一旦中止する。

9月28日

想田・柏木裁判で代理人を務めた弁護士に電話で問い合わせをする。

「「海外在住の研究者の間では、改姓を避けるために海外婚が常識になっているが、国内では簡単にまねできない。また、法務省が国内での婚姻有効性を認めたがらないのも事実である。」

との回答を得る。

9月30日

法務省に対して送った質問に対し、福井地方法務局戸籍課から回答が届く。

「9月28日付意見要望メールでご質問いただいた内容につきまして、以下のように回答させていただきます。

・証明書の有効期限の有無について

有効期限については証明書自体に有効期限が定められているものや、法律等により有効期限が定められている場合は一般的にその期限まで有効と解します(例、運転免許証等)

一方証明書に有効期限がない場合は、提出先が判断することとなり提出先によっては

一定の期間を定めて、その期間内に発行された証明書(「発行から何か月以内のもの」)

の提出を求める事がありますので提出先や官公庁や企業等にご確認ください。

なお、住民票や戸籍謄本等についても証明書自体に有効期限はなく、提出先の取り扱いについて有効期限が異なる場合があります。

本件に関してご不明な点などございましたら、お手数ではございますがご連絡いただけますと幸いです。」