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今はない家制度と改姓に翻弄された5人家族の話

私は40代女性です。
長女が2歳の時に離婚。娘はまだ名字の事は理解出来ない年齢であり、B姓からA姓に複氏し、娘もA姓に改姓しました。
長女が12歳の時再婚する事になり、私は女性が男性の姓に改姓するのが当たり前とC姓に改姓。
娘は自分まで改姓する事を嫌がりましたがC家の意向もあり、長女に言い聞かせ長女もA姓からC姓に改姓しました。
C家は長男が絶対的権力を持つ家と聞いていましたが、夫は次男。安心して結婚しましたが、長男は仕事で家族でアメリカに行っており
「長男不在の場合は次男が長男の役割を果たす」
事になっているのを知ったのは結婚した後の事でした。
Cの両親は近所住まいの別居ですが夫が
「親二人で寂しかろう」
一週間に一度は両親を食事に呼び、度々来訪しては手伝いも後片付けもせず、礼ひとつ言わず、悪阻であろうが臨月であろうがお構いなしに自分の家のように来られる夫両親に食事を振る舞うのは12歳の長女の勉強を見てやりながらフルタイムで働き残業もこなしていた私にとっては難行でした。
義兄夫婦も義両親も夫も「お前はC家の人間になったのだから」
当然の事と言い、疲れから何度も体調を崩しました。
しかし、義父母は長男夫婦から連絡が来たり物が届いたりすると必ず礼を言うのです。
「C家の長男」「長男の役割を果たす次男」
こうも差がつくのかと愕然としました。
出産の時も「C家の孫が生まれるのだから」
陣痛室にまで義父母が入ってき、毎日朝から晩まで病院に来る義父母。
「C家の孫の育児方法はこうでああで・・・」
退院後も毎日家に来られ3時間おきの授乳の時、皆の前で胸を開けさせられたり、授乳の合間に休むことも出来ず、3食夫両親の食事作りは私。
たまらず育児休暇を早めに切り上げ仕事復帰しました。
すると今度は「俺は体調が悪い」「私入院するかも」
すぐに早退する様に職場に電話が入るようになり、
急いで行けば私だけしか呼んでいないのです。
「○○さん(夫)に連絡は?」

「だってあの子には仕事があるからね」「あんたはC家の嫁だからね」
C家にとっては私の仕事は仕事ではなかったのです。
生後半年の子供を抱え、仕事、保育園、病院、義父母の家と何年も一人で走り回り、倒れ込む私に、夫も、知らせた義兄夫婦も何の反応もありませんでした。
「C家の嫁」
当たり前の様に扱われ続け。
私の地域では結納も結婚式もかなり派手です。それを思うと躊躇いもありましたが、
16歳、4歳、1歳の子供を抱えて離婚するしかないと決め、
「C家の人間」
から逃げるためには又A姓に複氏するしかなく、子供もC姓のままだと「C家の人間」
と扱われるのは分かっていたため、三人とも私の旧姓A姓に改姓させました。
特に親の離婚や再婚で何度も改姓させる長女は不憫でしたが、「C家の人間」
として生きさせるよりは、と長女に何度も言い聞かせ、又姓を変えました。

数ヶ月後。
離婚した夫が「復縁したい。もう一度やり直したい」
しかし又C姓に改姓したら同じことの繰り返しになるのは分かり切っていました。
夫に「今の私と子供の姓のA姓で婚姻届を出してほしい」
夫は
「おれはC家を捨てることになるのか」
改姓とは、夫には「家に入り」「家を捨てる」
認識なのかと悟りました。

その後、家族全員私のA姓になり、
家族5人仲良く暮らし数年。
義父母や義兄夫婦からあれだけかかってきていた電話がピッタリやみ、年賀状すら来なくなりました。
夫と復縁した後Cの両親は「あの家族はこの家を捨てて出ていった」
と言っていると聞いたのが最後です。
改姓の恐ろしさを知った結婚生活でした。

もし、Cと結婚する時に選択的夫婦別姓制度があれば、長女の改姓を避けるため迷わず別姓にしたと思います。
その制度がないばかりに苦しんだり子供に何度も改姓を強いた事を本当に申し訳なく思いながら。
今の生活を大切にして行こうと思っています。

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