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選択的夫婦別姓と先祖とお墓や仏壇について

夫婦別姓を選択したら墓はどうなるのか?

先祖供養はどうなるのか?様々な疑問が聞かれます。

当会の会員があるお寺のご住職様に様々なことを教えて頂きに行ってまいりました

会員「こんにちは。NPO法人関西選択的夫婦別姓の実現を願う会から参りました。本日はどうぞよろしくお願いします」

ご住職「こちらこそどうぞよろしくお願いします」

会員「まずお聞きしたいのは、今も様々な形で夫婦、親子別姓の家庭があり、選択的夫婦別姓が法制化されたらもっとそのような家庭が増えるかと思います。その場合は〇〇家の墓、と書かれた墓には夫婦や家族で入れないのでしょうか?」

ご住職「墓石に〇〇家と記載されていているので違う名字の人が入れないという決まりはありません。ただ施主の意向によるでしょう。だめだと言われれば仕方ないですし・・・こちらとしてはそこは納得の行くまで話をして決めてくださいというしかないです。

先日檀家さんから「別れた元妻が死んだ際にはお墓に入れたいけど構わないか?と聞かれました。みなが納得しているのなら良いんじゃないですか?と答えました。○○の墓と書いていたらその名字の人しか入れないとは保守的ですよね・・・○○家の墓というのは明治以降の墓ですよ。その前は個人墓でした。」

会員「親が別姓だと親子別姓となり、先祖からつながる縦の線が遮断されると言われていますが?又、親が別姓で子供も別姓だと兄弟で別々の先祖を供養することになり、宗派も家族で異なり、家族がバラバラになると言われていますが?」

ご住職「先ず宗派と先祖供養を別に考えなければなりません。信仰の対象は特定の宗派の教え(宗旨)になります。また先祖供養は宗派、宗旨にとらわれることなく行われています。日本の法律では信仰は自由なのです。なので夫婦で異なる宗派、宗旨であっても良いのです。夫婦同姓であろうと別姓であろうと関係ありません。異なる場合は一軒に2つの仏壇があっても問題ありません」

会員「一つの家に違う宗派の仏壇があったりお札があったりしたら仏様同士喧嘩し、家から出ていくという人もいらっしゃるのですが・・・」

ご住職「まず仏さん同士は喧嘩もしませんし、出ていくこともないのですよ。先祖供養に関してですが、元々仏教には先祖供養というものはありませんでした。

中国の道教、儒教の影響を受け伝わっています。家系を重視するのは、これらの教えから今に至っているのでしょう。拙僧、儒教や道教の専門ではないのではっきりしたことは申し上げられませんが・・・はっきり言えることは、親が別姓であっても先祖からの繋がりは遮断されることは全くもってありません。

父方も母方も子供にとっては両方大切な先祖です。両方供養するのが当然と言えば当然で、心からの報恩感謝の気持ちを表すことが肝要です。それが追善供養となります。

信仰が異なっても別に存在するのが先祖供養です。

我が国においては信仰対象や先祖供養は嫁ぎ先の宗派を信仰し、しきたりに倣って行うというのが一般的かもしれませんが、別姓が理由で家族がバラバラになるとは考えにくいし、あってはならないと考えています。」

会員「では結婚し、改姓しても夫婦で異なる宗派の仏壇を祀ることはしてもいいのですが?」

ご住職「そもそも、法律では宗教、勿論宗派に関しても信仰の自由が認められ、極端な話、仏教とキリスト教で夫婦で異なる宗派もあります。

大切なのは親や先祖を祀ることは尊い事ですので、夫婦で宗派が異なる仏壇2つもありだと思います。」

会員「今でも子供は男の子を生むように。でないと墓が絶える。あら、女の子ばかりなの?お墓が絶えるわね。墓じまいしないと、等ということはよくあります。女の子ばかりだと、子供の誰かに結婚する時に男性に改姓してもらわないとお墓が守れない。絶えるとよく言われます。そのあたりはどうなのでしょうか?」

ご住職「例え姓が変わってもお墓には大切な親がおり、祖父母、ご先祖様が眠っておられる事に変わりはありません。改葬、墓じまいする前に考えていただきたいです。

それに苗字が違っても墓守、施主となれますし、うちの檀家さんでもそのような例が多々あります。

仏壇も同じです。現にうちの仏壇はA姓である母がB姓の実の母が祀られている仏壇とC姓の叔母の位牌が安置されており、毎朝拝んでおります。一軒の家で仏壇2つで3家祀っています。宗派が同じというのもありますが。」

子供は生みたくても出来ない。経済的事情で作らない。様々な選択肢があります。結婚しない方も多いです。様々な選択肢、多様性のある現代です。

そのようなしがらみが嫌な方は最近永代供養塔の共同墓や個人の永代供養墓に入られる傾向にあります」

会員「そうなんですね。本日は中々知ることの出来ない事を丁寧に教えていただき、ありがとうございました。世間が勝手に作ったしきたりなどがいかに多いか勉強になりました。ありがとうございました。」

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