私は40代男性です。
先日結婚し、私が妻の姓へ改姓しました。
当初は妻が変えると言っていたのですが、仕事上、改姓手続きが比較にならない程多く、また仕事で旧姓を使う際の制約が多かったため、私の方を変えることにしました。
私自身、結婚するなら相手と同姓になりたい、という気持ちがあったため、自分自身の改姓には余り抵抗はありませんでした。
改姓手続きはとても大変だと聞いてはおりましたので、覚悟して挑みましたが、
想像以上に難儀なものもありました。
特に、海外の証券会社の口座の改姓手続きは、調べても殆ど情報が無く、担当者と英文メールでのやり取りを繰り返して行いました。
海外証券口座の姓変更は、以下の様な手続きです。
■期間
開始:2019/9/6
完了:2019/9/25
■用意した書類
・パスポートコピー(この手続きの時は新姓に変更手続きが必要)
・戸籍謄本(原本)
・英訳戸籍謄本(自分で英文で作成)
・英訳委任状(自分で英文で作成)
・Form W8-BEN(米国政府に提出、英文で作成)
・証券会社の名義変更依頼書(英文で作成)
■手続き
1. パスポートコピーを送付
2. Form W8-BENを作成、送付
3. 委任状、戸籍謄本(原本)、英訳戸籍謄本を英文で作成、送付
4. 証券会社の名義変更依頼書を英文で作成、送付
■面倒なこと
・姓が変わったことを証明する書類(裁判所が許可した証明書)を提出する必要がある。(質問すると戸籍謄本でOKだった)
・ただし、戸籍謄本を自分で公文書英文で訳する必要がある。国によってはプロに翻訳証明を付けてもらう必要がある。
・委任状、証券会社の書類も全て英文で記載する必要がある。
・メールのやり取りでは、細かいニュアンスが伝わりにくく、何度もやり取りする手間がある。
英訳戸籍謄本は、Web上に書き方が豊富にあり、自分で調べて作成しました。
ただし、住所の書き方や翻訳の正式文体があるため、注意が必要です。
外国人証明書(Form W8-BEN)は、証券会社のWebサイトなどで入手します。
ただし、自署サインが必要となるため、いったん紙へ印刷、サイン、スキャナで電子化して提出と手間が掛かります。
(英訳戸籍、委任状、手続き書類も同じ。)
幸いにも仕事を休んだ日はなく、平日の夜に全て対応できました。書類作成等は約4時間ほどですが、メールのやり取りを含めると10時間程度は掛かっています。
アメリカの証券会社の口座の改姓に挑んだのは、お金を引き出す際に小切手振り出しとなり、姓名が合っていないと取り立てが出来ない可能性があると聞いたためです。
なお、アメリカだったため、戸籍謄本は自己翻訳したものでOKでしたが、他の国では「プロが翻訳して翻訳証明をつけたもの」以外は受け取らなかったり、
アポスティーユ(外務省の認証)や公印認証&領事館認証が必要、と定めている国もあります。この場合はもっと大変ですし、お金も掛かります。
一連の改姓手続きはなかなか骨の折れるものとなりました。
私は望んで改姓したため、多少の苦労は厭いませんでしたが、改姓を義務として押し付けられた方にとっては、非常に苦難の手続きであろうと感じます。
資格やお金の絡んだ手続きは、提出書類も厳格に定められている上、本人確認を確実にするために手続きも時間が掛かります。
「改姓手続きの大変さを乗り越えて結婚の覚悟が生まれるのだ」
と、選択的夫婦別姓に反対している方のコメントを見聞きしましたが、選択的夫婦別姓に反対でも賛成でもない私ですら、心から呆れました。
婚姻したいと願う気持ちと、改姓手続きの面倒臭さは全くの別物です。
この文章を寄せている段階でも、まだ改姓手続きが済んでいないものが幾つかあります。
改姓一つで、どれだけの時間と経費、税金が無駄に費やされているのか…これらの無駄をしっかり検証して、もっと簡便に変えられる仕組みを作るなりして欲しいですね。